文部科学省科学研究費特定領域研究「性分化機構の解明」 *

領域活動

第3回 冬のワークショップ開催報告

2008年3月3日(月)-5日(水) 静岡県御殿場市

第3回 冬のワークショップに参加して(敬称略)

吉田松生・杉本幸彦 / 山本 友里恵/ 野殿 英恵

オーガナイザー;吉田松生、杉本幸彦

 第3回冬のワークショップは、第1回、第2回と同じく御殿場高原、時之栖において、2008年3月3日から5日の三日間にわたり開催されました。このワークショップは若手班員により企画運営され、運営側・発表者・聴衆の皆さんが真剣勝負で適度な緊張感を保ちつつ、朝から深夜まで文字通り寝食を共にします(ほとんど寝なかった方もおられたようですが、、、)。いつも忌憚のない意見交換が行われ、さまざまな意味で内容が濃い集会です。第1回、第2回とたいへん盛況で好評あったことから、この流れを断ち切らず、かつオーガナイザーの独自色が出るように頭をひねった結果、領域会議とは異なる視点・観点からの三つのセッション構成に加えて「マスターズレクチャー」と「ポスター受賞講演」を企画しました。

 三つのセッションの講演は、どれも非常に個性的かつ素晴らしい内容で、性分化研究の考え方やアプローチに一石を投じるものであり、参加者の今後の研究の進め方に大きく影響を与えたのではないかと考えます。

 マスターズレクチャーは、総括班の先生4名に、これまで歩んでこられた研究の歴史をそれぞれ1時間でお話いただきました。さまざまな分岐点で何をどう考えてどのような選択をされたのかを我々後進に指南いただこう、というわがままな企画でした。この無理なお願いに先生方は見事に応えていただき、研究の内容にとどまらず、研究者としての「生き方」を語っていただきました。スライドのそこかしこに研究者のこだわりを感じ、魂の叫びを聞いたのは、オーガナイザーだけではなかったはずです。

 ポスターセッションでは、恒例になったコンペティション加えて、優秀なポスター発表の方には最終日に講演をしてもらいました。発表者が進んで人を捕まえては説明している姿が印象的でした。「研究の内容」と同じ重みで「発表者の熱意」を評価したせいだったとしたら、みなさん単純(純粋?)だなと思いました。この形式は、発表者にとってポスターとオーラルの両方の発表を準備する必要があり、募集が少ないのではないかと懸念していましたが、22演題という予想をはるかに上回るエントリーをいただきました。コンペティションは激戦で、当初5名の予定を急遽変更し、6名の方に受賞講演を行っていただきました。受賞者の皆さんは、飲み会でも遅くまで討論していたはずなのに、素晴らしく、そして初々しい発表を聞かせてくれました。

 年度末のお忙しい中を縫って参加いただいた全ての方、講演者の方々に感謝いたします。また、本ワークショップの企画から運営のすべてにわたって、第1回、第2回のオーガナイザーの先生方に篤いサポートをいただきました。会場については菊水先生(麻布大学)にひとかたならずお世話になり、受付や会場・懇親会の準備と後片付け全般について諸橋研(基生研)ならびに秦研(成育医療センター)の皆さんにお手伝いいただきました。この場をお借りして改めて深謝いたします。

第3回冬のワークショップ オーガナイザー
     吉田松生(京都大学医学研究科)
     杉本幸彦(京都大学薬学研究科)

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