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2009.02.20
ズバイルらの論文がFaculty 1000で最高の評価!

Developmental links between fetal and adult adrenal cortex revealed by lineage tracing.
Mohamad Zubair, Keith L. Parker, and Ken-ichirou Morohashi
Mol. Cell. Biol. 28, 7030-7040, 2008
【Faculty of 1000(研究者による論文評価システム)の医学部門で最高の評価】
副腎皮質はグルココルチコイドとミネラルコルチコイドの産生を通じ、個体の恒常性の維持には欠かせない組織です。哺乳類では、胎性期の副腎皮質は生後に成人の副腎皮質に置き換わることが知られていましたが、両者の発生学的関係は不明でした。本研究では胎仔副腎皮質で特異的に遺伝子発現を活性化するエンハンサーを用い、Lac Z遺伝子によって副腎をラベルすることで、その後の胎仔副腎を調べてゆきました。その結果、早い時期の胎仔副腎皮質の細胞が成人の副腎に分化することがを明らかにしました。これまで、胎仔副腎と成人副腎の起源が不明でしたが、この研究はこの点を明らかにしました。
Two-step regulation of Ad4BP/SF-1 gene transcription during fetal adrenal development; initiation by a Hox-Pbx1-Prep1 complex and maintenance via autoregulation by Ad4BP/SF-1.
Mohamad Zubair, Satoru Ishihara, Sanae Oka, Katsuzumi Okumura and Ken-ichirou Morohashi
Mol. Cell. Biol. 26, 4111-4121, 2006
【Faculty of 1000(研究者による論文評価システム)の生物学部門と医学部門で最高の評価】
Ad4BP/SF-1と呼ばれる遺伝子は生殖腺と副腎の発生には必須の遺伝子で、これらの組織の発生初期から発現しています。この研究では、Ad4BP/SF-1のこれらの組織における発現制御を検討することで、これらの組織の発生のメカニズムを解析しました。トランスジェニックマウスを用いた実験によって、この遺伝子には胎仔副腎特異的に遺伝子発現を誘導する領域(エンハンサー)を同定しました。さらに、エンハンサー領域の解析から、この遺伝子の発現は、最も初期にはホメオボックス因子によって開始され、そこで産生されたAd4BP/SF-1が自己制御を行うことで、これらの組織における発現が持続することを明らかにしました。
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