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[2008.09.29] ◇やあ やあ やあ 在田 修二さん 32(九大病院血液・腫瘍内科医師)

―― 三足ワラジ?を履いた若手医師。
 今年4月から、九大病院の血液・腫瘍内科(www. med.kyushu-u.ac.jp/intmed1/oncology/
に勤務し、10人ほどの入院患者さんを担当する。深夜まで、ほとんど自分の時間を取れないが「腫瘍内科は一般に重い病気ばかりで仕事もハードだと思われがちだが、患者さん一人ひとりと一緒になって最善の処方を見出していく事に、他の分野では得難い医師としての充足感がある」という。
 5月には、今春まで九大大学院で専門に研究してきた免疫に関する論文「B細胞活性化はエクソソームHLA産生を調節する」が、ヨーロッパの免疫学雑誌European Journal of Immunologyに掲載された。新しい分野の研究で、エクソソームという物質が細胞から分泌される仕組みの一端を明らかにして報告した。まだ世界的にも研究者は少ないが、在田さんはこれによって今年度内には学位申請も予定しているという。
 こんな在田さんだが、実はバイオリン奏者、ジャズ演奏家としての顔も持つ変り種だ。プロ演奏家だった母親に幼少からバイオリンの手ほどきを受けた。中学のころ、「反抗期からしばらくバイオリンから遠ざかった」が、根が音楽好き。当時のフュージョンブームにすっかり惹かれてしまう。高校ではキーボード3、ドラムとバイオリン各1という、なんとも変てこなバンドまで編成した。テレビ放映されるトップミュージシャンのライブ演奏を、片っ端から録画してはかじりつくようにして観た。その中のある映像が、在田さんを釘づけにした。それは年一回、世界トッププレイヤーが集うモントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)に見た、ジャズバイオリンの巨匠ステファン・グラッペリだった。「本物のジャズに初めて」出会い、目指す音楽が決まった。
 九大医学部に進んで早速ジャズ研究会に入った。バイオリンだけでなく部室の楽器でピアノも独学して、市内のジャズスポットで演奏するまでに上達した。気の合う仲間と編成する“在田バンド”は学内イベントやライブで活躍した。
 研修医時代や九大に戻っての大学院の研究の合間にも続けたライブは、当面は活動休止中。それでも時間の許す限り地元のオーケストラに参加し、現在はクラシックを奏でる。自宅マンションに、ン十万円かけて防音室まで設置した。防音室内の暑さに耐えながら、寸暇を楽しむ。「音楽は僕にとっては食事みたいなものですからね」。
 一方、「医師として成長するには、医療に追われてしまって医学を見失わないように」と戒めている。が、研究を継続する時間が今はほとんど取れなくなった。このまま臨床医となるか、研究も並行するか、正直少し迷いも生じている。
 医師、研究者、ジャズ演奏家という三足ワラジを履く在田さん。「やさしい先生!」と慕う患者さんに背を押されながら、今日も踏ん張り続ける。


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