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本邦での上部尿路がんにおけるアリストロキア酸の関与に関する多施設共同研究

【はじめに】 左右の腎臓でつくられた尿は、腎杯から腎盂、これに続く尿管と流れていき、膀胱に貯留されたのちに尿道を通って排尿されます。このうち、腎杯、腎盂と尿管を上部尿路と呼び、ひとつのグループとして扱われています。腎盂、尿管と膀胱、尿道の一部は尿路上皮と呼ばれる粘膜で構成されており、ここから発生するがんは、尿路上皮がんと呼ばれる種類のがんがほとんどを占めます。上部尿路がん(腎盂・尿管がん)は比較的まれな病気で、尿路上皮がんのうち約5%程度です。一般的に、腎盂・尿管がんの予後は不良といわれていますが、表在がんであった場合の予後は良好で5年生存率は90〜100%程度です。浸潤がんであった場合の予後は不良で、特に転移がある浸潤性腎盂・尿管がんの場合は極めて不良です。

そこで、上部尿路がんがなぜできるのかを解明することは、その予防や治療法の開発において重要な課題となります。喫煙やフェナセチン含有鎮痛剤の使用により上部尿路がんができる危険性が高くなるという報告がありますが、未だ不明な点も多いのが現状です。最近になって、アリストロキア酸という物質を含むハーブの使用と上部尿路がんの関連が指摘され注目されています。アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含まれている成分で、一部のハーブ、ならびに生薬に含まれていることが知られています。そのため本研究では、本邦での上部尿路がんがアリストロキア酸によるものがどの程度あるのかを明らかにすることを目的とします。

【研究内容】
 
本研究は、上部尿路がんという診断が確定し腎尿管全摘除術を予定された患者様を対象に行います。基本的には日常診療の範囲内で採取可能な組織を使用して行います。具体的には、同意いただいた患者さんより、過去の漢方薬や健康食品の摂取に関する問診を行います。手術の際に摘出された臓器より、病理組織診断に必要な部位以外の腎臓、腫瘍、尿路上皮の組織を採取させていただきます。これらの組織よりDNAを抽出して、アリストロキア酸による障害の有無、特定の遺伝子の変異に関して解析致します。同解析は、共同研究者である米国のArthur P. Grollmanが担当します。また、術後の経過に関しても、再発の有無などの調査をさせていただきます。研究期間としては、5年を予定しています。

【医学上の貢献】
 この研究により本邦でのアリストロキア酸による障害の頻度が明らかになれば、今後の検査体系の構築などにおいて非常に重要な情報となり、医学的に貢献できるものと考えます。

【問合せ先】
研究責任医師:教授 内藤誠二
研究分担医師:助教 猪口淳一

連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
Tel 092-642-5603   Fax 092-642-5618

 

 

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