生理機能検査の受け方

■肺機能検査

 肺機能検査とは?
肺機能検査では,息を吸ったり吐いたりすることで肺の容積,気道の閉塞や換気障害などを調べることができます。この検査室では,下のような検査を行っています。
 実際の検査について
 検査は椅子に座って行います。検査には性別・身長・体重が必要です。息が漏れないようにマウスピースをしっかりと口にくわえて,検査技師の指示に従い,口だけで吸ったり吐いたりします。
息は,最大限の努力をして下さい。最大限の努力で行わないと正確な検査をすることができません。

肺活量(VC)
努力性肺活量(FVC)
機能的残気量(FRC)
肺拡散能(DLCO)
クロージングボリューム(CV)
気道可逆性試験 肺胞換気(Fick)
 検査時間はどれくらい?
 5〜10分程度(VC・FVCの場合/個人差があります。)  
※特殊検査の場合は30分〜40分程度かかります。

■心電図

 心電図とは?
心電図とは,心臓の電気現象を調べる検査です。 心臓が一生休むことなく働き続けるためには,「生体のポンプ」として強力な収縮を生み出す筋肉と弁が必要です。その「生体のポンプ」を動かすのは,電気的刺激であり,この電気的刺激によって心筋が収縮し,心臓の各弁は閉鎖,開放を繰り返して全身に血液を送り出します。心電図とは,電気的刺激が心筋に伝わるまでの心臓の電気的な変化を記録したものです。
 心電図で何が分かるの?
心房負荷,心室肥大,心筋虚血,心筋梗塞,伝導障害,不整脈,血清電解質の異常など,臨床的に重要な情報がわかります。
検査の受け方
(1)胸に電極を付けるので,胸が見えるように前を開けて,仰向けでベッドに休んでいただきます。
(2)記録中は,体を動かさずにできるだけ力を抜いてリラックスしておいて下さい。
 トレッドミルテスト
 
胸に電極を付けたまま動くベルトの上を逆方向に歩行させて運動負荷をかける検査です。3分毎にベルトの速度と傾斜を変えていき,心電図・血圧・心拍数を記録していきます。
 マスター負荷心電図
胸に電極を付けたまま2段の階段を昇降(1分30秒および3分)させて運動負荷をかける検査です。心電図は負荷前と負荷後(直後,3分後,6分後)に記録し,同時に血圧も測ります。
 ホルター心電図
普通の心電図検査ではわからない不整脈などの異常を検出したい場合に,胸にシール状の電極を貼り付け,それにつないだ小型の装置を身に付けて仕事中,運動中,睡眠中など24時間にわたって心電図を連続記録する検査です。この間患者さんには行動記録を記入してもらいます。測定が終了したらコンピューターで再生・解析します。

■脳波

脳波とは?
脳の神経細胞は,私達が寝ているときも考え事をしているときも常に電気的な活動をしています。頭皮に付けた電極でその電気信号をひろって機械で増幅させ,波形として記録したものが脳波です。 
脳波は年齢や睡眠の深さなどで変化します。
脳波で何が分かるの?
てんかん・意識障害・脳炎・代謝性脳症 など。
脳死判定にも重要な役割を果たします。
 実際の検査は?
 
検査時間は,準備も含めて30〜40分程度です。   
※ 検査時に痛みなどはありません。
@まず,頭にクリームをつけ二十数個の電極を貼りつけます。
Aベッドに仰向けになり,眼を閉じた状態で記録を開始します。
B検査の目的に応じて,眠ってもらうこともあります。
C検査中にすること 
 

*   眼の開閉  

*        光の点滅刺激

*        音の刺激

*        深呼吸

 
 検査を受けられる方へ
  • 時計等の金属類を外していただく必要はありません。 ただし,ピアス・イヤリングやヘアピン等は外していただきます。   
  • 検査当日は,整髪料は使用しないで下さい。睡眠脳波検査の方は,前日の睡眠を短めにお願いします。
  • 検査の都合により,多少顔を拭くことがあります。