九州大学病院検査部

輸血検査室Blood transfusion testing laboratory

輸血検査室では、血液型や不規則抗体など、安全な輸血を行うための検査をしています。

前のページに戻る

どんな検査があるの?

血液型検査

皆さんは自分の血液型を知っていますか?A型?O型?B型?AB型??
よく「血液型占い」などで使われる血液型はこのA・B・O・ABの4種類ですが、他にも「Rh-(アールエイチ・マイナス)の人は少ない」とか聞いたことありませんか?
実は血液型ってABO式以外にもいっぱいあるんです。
赤血球の表面にはいろいろな形の「抗原」と呼ばれる標識がいっぱい付いていて、どの種類がどのくらい付いているのかは人によって全然違います。
例えば、「A型」の人の赤血球には「A抗原」という標識が付いています。「B抗原」が付いていれば「B型」、「A抗原」も「B抗原」も持っていれば「AB型」という具合です。
じゃあ、O型は「O抗原」?・・・いいえ違います。残念ながら、O型は「A抗原」も「B抗原」も持っていない、という人です。
ではRhマイナスってどういうこと?と疑問に思うかもしれません。Rh系にもD抗原・C抗原・E抗原などいろいろな抗原がありますが、その中でも特に「D抗原」を持っていない人をRhマイナスと言います。日本人では200人に1人くらいがRhマイナスです。国や人種によっても比率は違うみたいですね。
ちなみにABO型の比率は日本人ではA:O:B:AB=4:3:2:1です。AB型の人は日本人には10人に1人しかいないんですね!・・・ということは、AB型でRhマイナスの人は2000人に1人!?貴重ですね。
ほかにもP型、MN型、S型・・・などなど本当にいっぱい血液型がありますが、その中でも輸血する時に大きく問題になるのが、ABO式とRh系(特にD抗原)です。
したがって輸血検査室では、基本検査としてABO型とRh(D)を中心に検査しています。
あなたは何型ですか?実は「私は真面目だからA型!」「あの人はマイペースだからB型!」と言う風に思い込みで血液型を判断している人が少なくないんです!占いの結果で判断せず、一度ちゃんと検査してもらってみては?

不規則抗体検査

血液中には「抗原」の他に「抗体」という物質が含まれています。
「抗体」は特定の「抗原」に対して反応するもので、生まれながらに持っている自然抗体と、体の外から異物が入った来たときに新しく作る免疫抗体があります。
例えばA型の人はもともとB抗原に対する自然抗体「抗B抗体」を持っています。したがって、A型の人にB型の赤血球を輸血するとB型赤血球上の「B抗原」とA型の人の「抗B抗体」が反応して大変なことになってしまいます。
「抗体」が反応することで、体(A型の人)が侵入者(B型赤血球)に対して「これは自分のものじゃない!!」と認識して、排除しようと働き始めるからです。だからA型の人にはA型(もしくはO型)の赤血球しか輸血しちゃ駄目なんですね。
では免疫抗体はどうかというと、例えばD抗原を持たない人(Dマイナス)の人に、D抗原を持っている人の赤血球(Dプラス)を輸血したとします。
もともとDマイナスの人は抗D抗体を持っていないので、一回目の輸血はすんなり終わります。ですがこの時、体の中はDプラス赤血球をしっかり覚えているんです。
「なんか自分じゃないのが入ってきたけど、今は抗体を持ってないから何もできないや。よーし、次に来た時のために抗体を作っとこう!」と言う感じでD抗原に対する抗D抗体を作ってしまう時があるんです。こういったものを免疫抗体・・・輸血の場合は不規則抗体と呼びます。
抗原がいっぱいあることは血液型検査のところで言いましたが、それに対する抗体もいっぱいあるんですよ。
先ほどの抗D抗体を作ってしまった人に次に輸血する時は、Dマイナスの赤血球を入れなければ大変なことになります。
したがって輸血検査室では不規則抗体検査を実施して、その人が何に対する抗体を持っているのかを調べ、その人にとって安全な血液を選択するお手伝いをしているのです。

検査に影響があるのはどんなとき?

輸血

自分以外の人から輸血をされた時、不規則抗体を作ることがあります。
「自己血輸血」と言って、自分の血液を一定期間保管しておいて 、自分に輸血する方法もありますが、この場合は不規則抗体を作ることはありません。

妊娠・出産

赤ちゃんとお母さんの血液型が違っている時、お母さんが不規則抗体を作ったり、赤ちゃんの血液型判定が難しくなることがあります。

幹細胞移植

普通、人の血液型は一生変わることはありません。
しかし、「幹細胞」という血液の元になる細胞を移植した場合、移植された幹細胞の血液型に変わっていくことがあります。なんだか不思議な感じがしますね。

病気

血液や免疫系の 病気があったりすると、血液型の検査が難しくなることがあります。

細菌感染

細菌が出す酵素によって、赤血球上のA抗原が処理されてAB型のように見えることがあります。 一時的なものですが、これも不思議な感じがしますね。



などなど、ここに挙げている以外にも血液型や不規則抗体検査に影響があるものは沢山あります。
輸血の検査って、と~~~っても奥が深くて難しいんです。

それでは血液型の検査をしてみましょう♪

輸血検査

>左の写真は血液型を調べるための試薬です。
青いのが抗A試薬、黄色いのが抗B試薬です。
さてさて、ここで問題です!
ある人の赤血球を、青い試薬と黄色い試薬にそれぞれ混ぜてみると、下の写真のようになりました。
よく見ると、抗Aの方だけ血が固まっているようです。
さあ、この人の血液型は何型でしょうか??

輸血検査

・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・分かりましたか??
抗Aで固まったということは、「抗Aと反応するA抗原を持っている」ということになります。
また、抗Bには反応していないことから、B抗原は持っていないことも分かります。
つまり、この人はA型ということになります。分かりましたか??
ちなみに、黄色の抗Bだけ固まったらB型。どちらも固まったらAB型。どちらも固まらなかったらO型です。