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第33回応用幹細胞医科学部門セミナー

  • 2026年1月15日(木)17:00-18:00
  • 病院キャンパス 総合研究棟1階 105セミナー室

[対象]研究者、医療従事者、学生等

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内容・問合せ先

この度下記の日程で、畠山 淳 先生(熊本大学 発生医学研究所 脳発生分野 准教授)をお迎えして、第33回応用幹細胞医科学部門セミナーを開催いたします。
みなさまの多数のご参加をお待ちしています。

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【第32回応用幹細胞医科学部門セミナー】
日時:2026年1月15日(木)17:00-18:00
場所:総合研究棟1階 105セミナー室
対象:どなたでも参加可能です
演者:畠山淳先生(熊本大学 発生医学研究所 准教授)

講演タイトル: 「脳を育む環境ー脳脊髄液が支える霊長類大脳の大型化ー」

要旨:
ヒトを含む霊長類の脳発生の理解を目指すことを大きな目標に据え、霊長類の大脳の大型化、シワの形成について研究を進めている。ヒトは進化の過程で、巨大な大脳を獲得し、高度な知能を発達させてきた。ヒトでは、神経幹細胞が数ヶ月にわたり増殖活性を保ち、神経幹細胞を膨大に増やし大脳の大型化を可能とする。しかし、なぜヒトでは神経幹細胞を長期にわたって維持できるのかについては、いまだ十分には解明されていない。
 ここ10年ほどの研究より、ヒトまたは霊長類の神経幹細胞が新たな遺伝子プログラムを獲得し、それらの内在因子が増殖を促進することがわかってきた。一方で、脳発生を取り囲む環境要因に目を向けると、動物種間で顕著な違いが存在する。例えば、マウスとヒトの発生期の脳を比較すると、ヒトでは脳脊髄液を産生する「脈絡叢」が非常に大きく発達していることに気づく。ヒト胚大脳では、1)脳脊髄液中に含まれる増殖因子や栄養因子が豊富である可能性、2)脳脊髄液の産生量が多く脳室内圧が高い可能性が考えられる。
 本セミナーでは、脳発生を取り囲む環境要因としての脳脊髄液に着目し、「脳脊髄液中の因子」と「脳脊髄液が生み出す圧環境」が霊長類の脳発生に果たす役割について議論したい。私たちは、近年、マウス胚の脳脊髄液には存在せず、ヒト胚及びカニクイザル胚の脳脊髄液に含まれる増殖因子を発見し、この因子が神経幹細胞の増殖や大脳の大型化を促進することを見出した。さらに、最近、マウス胚の脳室内圧のリアルタイム測定に成功し、子宮内での脳発生の圧環境を初めて明らかにした。
 これらの知見は、脳脊髄液が、種特異的な脳発生環境を提供し、神経幹細胞の増大を支える環境要因であることを示唆している。本セミナーでは、このような視点から、霊長類脳発生の新たな理解を提示したい。

参考文献:
1)Akaike M†, Hatakeyama J†*, Nakashima Y, Shimamura K*.
   Measuring intraventricular pressure in developing mouse embryos: Uncovering a repetitive
  mechanical cue for brain development.
   Development, Growth & Differentiation  2025  †equal contribution, *corresponding author
2)Akaike M, Hatakeyama J, Saito Y, Nakanishi Y, Shimamura K, Nakashima Y.
   Microdifferential pressure measurement device for cellular microenvironments.
   Bioengineering  2025  12(1), 3
3)畠山淳     脳発生を取り囲む圧環境とその重要性
    Medical Science Digest 51(11): 689 - 692,  2025

世話人:
中島欽一
九州大学医学研究院応用幹細胞医科学部門
基盤幹細胞学分野

セミナーに関する問い合わせ先:
中嶋秀行 nakashima.hideyuki.497(at)m.kyushu-u.ac.jp
※(at)を@に変えてください
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