九州大学皮膚科学教室 ムラージュコレクション

梅毒

28.

推定病名
ばいどく
梅毒
Syphilis
2000_3330

 亀頭部に大きな潰瘍を認める。ラベルがないので病名は断定できないが、硬性(こうせい)下疳(げかん)と呼ばれる梅毒の感染初期像と考える。陰茎結核なども鑑別にあげねばならない。我が国に梅毒が伝播したのは1500年代初期とされる。江戸から明治時代に大流行した後、第2次世界大戦後に再流行した。1950年では10万人当たりの年間罹患率は91であったが、1997年には0.4に激減している。しかし、近年、再興の兆しがある。フレミングによって1929年に発見されたペニシリンは、1942年よりベンジルペニシリンとして実用化されたが、梅毒にもきわめて効果が高い。ペニシリンに代表される抗生物質の開発によって、現在では梅毒を早期に治療することが可能である。

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