九州大学皮膚科学教室 ムラージュコレクション

梅毒

59.

現在の病名
ばいどく
梅毒
Syphilis
2724_7256

 上口唇に白色のびらんを認める。梅毒性粘膜疹である。病原体であるトレポネーマが豊富に存在し感染源となりやすい。我が国に梅毒が伝播したのは1500年代初期とされる。江戸から明治時代に大流行した後、第2次世界大戦後に再流行した。1950年では10万人当たりの年間罹患率は91であったが、1997年には0.4に激減している。しかし、近年、再興の兆しがある。フレミングによって1929年に発見されたペニシリンは、1942年よりベンジルペニシリンとして実用化されたが、梅毒にもきわめて効果が高い。ペニシリンに代表される抗生物質の開発によって、現在では梅毒を早期に治療することが可能である。整理番号37も同様の病変である。

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