九州大学皮膚科学教室 ムラージュコレクション

梅毒

82.

推定病名
ばいどく
梅毒
Syphilis
2905_7146

 左下口唇に円形の潰瘍を認める。硬性下疳(ulcus durum)と呼ばれる梅毒の第1期疹である。我が国に梅毒が伝播したのは1500年代初期とされる。江戸から明治時代に大流行した後、第2次世界大戦後に再流行した。1950年では10万人当たりの年間罹患率は91であったが、1997年には0.4に激減している。しかし、近年、再興の兆しがある。フレミングによって1929年に発見されたペニシリンは、1942年よりベンジルペニシリンとして実用化されたが、梅毒にもきわめて効果が高い。ペニシリンに代表される抗生物質の開発によって、現在では梅毒を早期に治療することが可能である。

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