文部科学省科学研究費特定領域研究「性分化機構の解明」 *

領域活動

「研究成果報告書」完成

平成16年度〜平成20年度の5年間の研究成果報告書が完成しました。


特定領域研究「性分化機構の解明」は平成16年度に発足し、20年度をもって終了しました。この間、本特定領域研究は13の計画研究と41の公募研究によって支えられ、性決定・性分化の分子メカニズムの解明に向けた研究を進めて参りました。この報告書には本特定領域に参加した計画研究ならびに公募研究の成果を集録しています。

我が国における性研究は特定領域の支援のもとに大きな進展と遂げました。このことは今年の4月にハワイで開催された「Fifth International Symposium on Vertebrate Sex Determination」のプログラムにも現れています。12名の招待講演者のうち4名が我が国の研究者でありましたし、Keynote Addressも我が国の研究者が務めました。このように性決定・性分化領域における我が国の研究は、世界を相手に対等に戦うことのできる力を付けたと言っても過言ではありません。そして、このような成果を得ることができたのは、本特定領域研究に参加した個々の研究者の不断の努力に依るものでありました。

一方、本特定領域研究は総括班と支援班によって支えられてきました。総括班の評価担当の先生方にはご多忙にもかかわらず、領域会議や総括班会議にご出席頂き、時に厳しいご意見を頂きました。それらはいずれも貴重なもので、本領域を運営するにあたり力強い指針となりました。そして、基礎生物学研究所と熊本大学生命資源研究・支援センターに置かれた支援班は、本領域研究の主要な実験動物であったマウスとメダカの変異体を作製、ならびに維持・管理し、領域内外の研究者に配布することで、本特定領域研究のみならず、広く国内の性決定・性分化研究を支えました。

このような支援のもとに、我々は日本国内において「性」を対象とする研究の基盤を作ることができたのではないかと思っています。この特定領域研究は平成21年3月をもって終了しましたが、本特定領域研究に参加した研究者が一層の成果をあげ、我が国の性関連研究を力強く押し進めてくれることを期待しています。

平成21年5月 特定領域研究「性分化機構の解明」
領域代表 諸橋 憲一郎


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