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2018.02.26

消化器・総合外科学分野・前原喜彦教授の最終講義


  去る平成30年2月16日、九州大学病院キャンパス臨床大講堂にて、医学研究院消化器・総合外科教授前原喜彦先生による最終講義が行われました。平成14年10月に教授にご就任されてから15年5ヶ月の在任期間中、日本の外科学を牽引されて来られた足跡を最終講義としてご講演頂きました。

  最終講義の内容は「外科学の進化」というテーマでⅠ.倫理観の高い外科医の育成、Ⅱ.外科医療の実践と高度先端医療の開発、研究、Ⅲ.社会への提言(日本学術会議より)の3部に分かれて、医学生そしてご出席頂きました様々な方々に分かりやすく講義されました。

  第Ⅰ部では九州大学第二講座(消化器・総合外科)の歴史を大森初代教授に始まり、前原教授の恩師のご紹介、我が国最古の医学書「医心方」のご紹介、華岡青洲による近代外科学史上初の全身麻酔下乳癌切除の成功、そして全国の外科学を中心とした教授の輩出を述べられました。
  第Ⅱ部では外科の臨床と研究について外科医療を通して疾病、病態の分子機序の解明を行うことの重要性を述べられました。特に1900年(明治33年)、多大なる努力の末成功した当科の胃切除1例目のご紹介とともに、胃癌細胞におけるDNA aneuploidyについて井口教授の時代から最新の研究知見までをご紹介いただきました。また当科の大腸、食道、肝臓、肝移植、肺、乳腺、血管外科及び門脈圧亢進症疾患の1例目をご紹介していただくと同時に各領域における最新の研究内容を多岐に渡って述べられました。
  第Ⅲ部では日本学術会議のご紹介並びに「我が国におけるがん創薬を目指した基礎研究の推進と臨床試験体制の整備について」、「我が国における臓器移植の体制整備と再生医療の推進」と題した2つの学術提言書についてご紹介され、今後の日本の医療の進むべき道筋を示していただきました。

  その後、学生及び消化器・総合外科医局等より感謝の意味を込められた花束の贈呈と記念写真の撮影を行い、前原喜彦教授の最終講義が無事に終えられましたことをここにご報告いたします。       



文責:原田 昇(医局長)
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