2018.11.16
第9回人体・病理ミュージアム一般公開(開催報告)
第9回人体・病理ミュージアム一般公開が11月9日(金)に開催されました。
人体・病理ミュージアムは、病理学教室が100年をかけて収集した肉眼標本のうち医学的に重要で希少性の高いものや近年の興味深い標本を系統別に展示し、医学部の学生の教育の場として活用しています。
標本の他にも、九州大学病院および病理学教室史を写真パネルで掲示したものや、実際に医学部教育で使用されていたキュンストレーキ(紙製人体模型)、ムラージュ(皮膚疾患を蝋模型にしたもの)、そして病理とは切り離せない顕微鏡のうち、骨董的価値のあるものなども展示しています。キュンストレーキは日本国内での保存が数体しか確認されておらず、またムラージュは現在では制作されていない上、皮膚症例としても近年では見ることのないものであることから、歴史的価値をも感じる展示となっています。
はじめに視聴覚エリアにて神経病理学分野 岩城教授より開催内容の概要説明があり、参加者に病理学が担う役割について説明したDVDを鑑賞して頂きました。
続いてミュージアムの見学にうつり、岩城教授より写真パネルの前で九州大学病院、病理学教室の歴史についての説明が行われ、各展示棚で系統別の標本についての概略説明がなされた後、全体でのご案内は終了しました。その後は、参加者それぞれに興味のある標本を自由に見て頂く時間となり、病理に携わっている現役のスタッフが会場内を巡回し、個別の質問にお答えし説明するなど、参加者により理解を深めて頂きました。
午前の部14名、午後の部16名が参加してくださり、「普段見ることができない貴重な標本や模型などを見学でき、わかりやすい説明もしていただき大変勉強になりました。」や「よく耳にする病名の標本を実際に見て、健康の大切さや人間の体の複雑さを知れてよかった。」などのご感想を頂きました。