令和2年4月1日付で九州大学精神病態医学分野第8代目教授を拝命した中尾智博と申します。私は鹿児島で生まれ育ち、平成７年に九州大学を卒業後、人のこころを扱う精神科の仕事に興味をもち当教室に入局しました。入局後は認知行動療法の習得を志し、さらにその対象疾患の病態への興味が強まり、臨床大学院では機能的脳画像を用いた研究を行いました。学位取得後にはロンドン大学の精神医学研究所に留学し精神疾患の脳画像に関するさらに専門的な研究に従事いたしました。

  当教室は1906年の開講後110年を超える歴史の中で、心理社会的、そして生物学的精神医学の多岐にわたる領域において精神医学の発展に貢献してきました。教室の歴史と伝統を財産として受け継ぎつつ、自分の特長である精神療法の分野を中心に、精神医学、そして九州大学の発展に貢献できるよう尽力いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。