2023.07.12
新任教授ご挨拶 生体機能学分野 森下 英晃 教授
2023年7月1日付で生体機能学分野の教授に就任致しました森下英晃(もりした ひであき)と申します。
私は2007年に九州大学医学部を卒業後、国立国際医療研究センターにて臨床研修を行い、2013年に東京医科歯科大学大学院にて学位を取得いたしました(現・東京大学の水島昇先生に師事)。その後、東京大学、順天堂大学を経て、このたびご縁をいただき母校に戻って参りました。私は学部生時代より「生体内で生理的に起きている劇的な細胞内分解現象」(水晶体のすべてのオルガネラが数時間で分解される現象など)に魅了され、その原理としてオートファジーによらない新規オルガネラ分解システムを同定するとともに、オートファジー、ユビキチン・プロテアソームシステム、液―液相分離などの分子機構や生理機能についての研究を行って参りました。今後はさらに視野を広げながら、生命現象の根本的かつ普遍的なメカニズム、そして様々な臓器・疾患における役割を分子・細胞・個体レベルで解明し、医学・医療の発展に貢献することを目標にしています。
九州大学医学部では、生理学の教育を担当するとともに、国際的に活躍できる若手研究者の育成にも取り組んで参ります。私は、大学院で始めた研究テーマの成果(オートファジーによらない新規オルガネラ分解システムの発見)を得るまでに12年かかりましたが、生命現象の根本原理を見つけた時の感動や、そこに辿り着くまでの苦労を通じて得た学びなど、これまでの経験を生かしながら、教育活動を行っていきたいと思っております。
臨床医学、社会医学、基礎医学の幅広い分野の先生方にご意見を伺いながら、博多の地から新しいサイエンスを発信していくことができたらと考えております。皆様のご指導とご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。