九州大学医学部婦人科学産科学教室

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入局後の流れ

留学記

“私は2023年7月より英国のフランシス・クリック研究所に留学しております。ここでは、留学に至った経緯および海外での研究留学生活について記します。”

九州大学医学部婦人科学産科学教室2013年入局
村上 健太

研究留学に至った経緯

基礎研究をしてみたいとの思いで、大学院はマウス卵子の体外培養系を構築されていた林克彦教授の研究室に進学いたしました。漠然と留学したいとは思っておりましたが、具体性を帯びることはなかなかありませんでした。論文のリバイスに伴う追加実験を林先生と議論していた際に、「Jamesのところにでも行ってみたら。フランシス・クリック研究所はすごくいい場所にあるよ。」と言われたのが始まりでした。インターネットで調べてみると「すごい建物だなあ。行ってみたい!」とすぐに思いました。林先生から連絡していただき、Zoomで面談することになりました。面談の結果、助成金が取れれば受け入れてもらえることになりました。日本学術振興会の海外特別研究員と武田科学振興財団の海外研究留学助成に応募し、日本学術振興会の海外特別研究員に補欠で採用され、無事に留学できることになりました。

英国での研究

フランシス・クリック研究所はいくつかの研究所が統合されて、2016年にロンドン中心部に開設された英国最先端の生物医学研究所です。2024年6月の天皇皇后両陛下の英国御訪問に際し、天皇陛下がこの研究所を訪問されました。私も天皇陛下に拝謁の機会を賜り、英国留学の貴重な思い出となりました。研究所の設備は充実しており、研究費も潤沢にあります。動物実験部門、シークエンス部門、データ解析部門などさまざまな部門があるので、それぞれの部門の人たちと協力して研究を進めております。また、動物実験に関しては法律で厳しく規制されており、動物実験を行うには試験に合格する必要があります。私が所属している研究室では、性染色体に関する研究を行っており、対象はマウス、オポッサム、ヒトです。私はマウスにおけるY染色体遺伝子の生殖以外における役割を細胞およびマウスを用いて研究しております。研究室のメンバーは、イギリス人はボスくらいのもので、他はヨーロッパ各地から集まってきています。3〜4言語を自由に使いこなす方も多く、英語に四苦八苦している日本人の私からすると羨ましい限りです。また、プレゼンテーション、ディスカッションに関しては日本に比べると非常に重視されており、皆とても上手です。私はラボミーティング後にボスから指導を受けました。

ロンドンでの生活

ロンドンはまさに人種のるつぼで、英語以外の言語を常に耳にします。魅力としては、大英博物館、自然史博物館、科学博物館などが無料で入館できることです。また、公園の数が多く、広々としています。日本に比べると子供に対して社会が寛容なため、子育てしやすい環境だと感じます。さらに、フランス、ベルギー、オランダへはユーロスターが通じており、ヨーロッパ各地への航空便も充実しております。私もノルウェー、チェコへ行ってきました。休暇に関しては2-3週間とるのが当たり前です。一方で、欠点としては、公共交通機関で頻繁にストライキが起こることと、物価が高いことです。特に家賃は高いです。医療面では、NHSが機能不全に陥っており、日本の方が優れていると感じます。その他の違いとして、親が子供を小学校へ送迎する必要がある一方で、社会がそれに伴う出勤の遅れや早退に理解を示してくれる点が挙げられます。

医師にとっての留学

医師になってから留学する場合、臨床留学、研究留学、大学院留学のいずれかの留学が主かと思います。私は臨床留学を夢見た日もありましたが、月日は流れ、研究留学のチャンスがあり、今回留学できました。こちらに来てみると大学院留学されている方ともお会いし、そういう方法もあるのだなと思いました。専門医やサブスペシャリティの資格取得に忙しい今日ですが、留学に興味のある先生方には、ぜひ留学を検討してみることをお勧めします。留学して後悔はしないと思います。

謝辞

最後になりましたが、今回の留学の機会をいただいた大阪大学生殖遺伝学の林克彦教授、九州大学生殖病態生理学分野の加藤聖子教授に、この場を借りて深く感謝申し上げます。

産婦人科医を目指すみなさま

入局や研修システムの詳細等に関しましては、ご遠慮なくご連絡下さい。

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九州大学医学部婦人科学産科学教室 医局長 坂井 淳彦
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